以前、金銭的に苦しい時期があって、北海道の消費者金融パスキーというところでお金を借りたんですが、最近になって払い過ぎた利息が戻ってくるということを知りました。
それで過払い金請求をしようと思って調べたら、なぜか(株)クランという業者が出てきてしまうんです。消費者金融パスキーと(株)クランの関係って、いったいどうなっているんでしょうか?
消費者金融パスキーは(株)クランに社名変更しています
北海道の消費者金融パスキーは、今は(株)クランっていう社名に変更しているね。地方の中小消費者金融だと、こういう風に社名が途中で変わることは決して珍しくない。さらに(株)クランは今、貸し付けの方はどうもしていないね。貸しているお金の返済の身に対応している状態のようだ。
貸金業法が改正されてから何年か経ったわけだけど、その間に消費者金融業界はかなり様変わりしたんだよ。っていうのはやっぱり君のいうような過払い金請求の影響がかなり大きいんだ。グレーゾーン金利が撤廃されて、過払い金請求ができるようになって…借りていた側としては当然の権利だし、非常にありがたい制度だよね。でも消費者金融にとっては手痛い出費となった、しかも金利は下がったから、利益は減るばかりだよね。そんな状況下で、潰れてしまったり、パスキーのように社名変更して債権の回収のみで細々と生き残っている中小消費者金融が数多く出てきたんだ。
で、(株)クランに過払い金の請求をしようと思えばできないことはないんだけど、正直かなり難しいだろうね。過払い金返還請求ていうのは、業者との直接交渉から始まるわけだけど、この手の貸し付け停止状態の消費者金融は、当然どこも経営に余裕はない。すんなり過払い金を支払ってもらえるかは怪しいものだ。交渉が折り合わなければ訴訟に持ち込むこともできるけど、それでも本来返してもらえるはずの金額には到底満たないっていう可能性がかなり高い。
こういうことがあるから、過払い金請求っていうのはできるだけ早く行動を起こした方がいいんだ。今回の場合は自力での解決は難しいだろうから、法律事務所なんかに一度相談してみることをおすすめするよ。
(株)クランという消費者金融について
(株)クランとは、かつて北海道札幌市にあった会社です。消費者金融と言うより、パスキーという会社が社名変更をして、債権回収会社として運営を行っていました。一時はアイフルの完全子会社として、経営が順調な時期もありましたが、過払い金請求に対応しきれず現在は破綻しています。
過払い請求による破綻というのは珍しいことではありません。当時大手と言われていた会社でさえも、過払い金返還により経営が立ち行かなくなったのです。なぜそこまで過払い請求が発生したのかと言うと、平成18年の貸金業法改正によるものです。
それまで、ほとんどの消費者金融では、利息制限法と出資法の間の金利を取っていました。その上限29.2%。これはグレーゾーン金利と言われ、法改正以前にも問題になっていました。例えば、100万円借りたとしたら、1年で29万2千円の利息が付くのです。1年で返済するとなると、月々10万円以上の返済をすることになります。これでは長期返済するしかなく、さらに金利が掛かるようになっていました。
法改正で利息制限法の金利に定められたため、利用者の負担は減りました。法改正以前の借入金利が見直され、過払い金請求が相次いだのです。今まで暴利ともいえる金利を取っていた消費者金融ですが、全ての返還請求に耐えられるほどの資金がなく、経営破綻に追い込まれる会社が続出したのです。
この経営破綻は、利用者にとって何の得にもなりませんでした。何故なら、過払い金請求をしても、破綻した会社が払えるお金がないわけですから、最悪返還金がゼロになることもあるわけです。また、返済途中の人にも、会社が潰れたからと言って借金がなくなるわけではありません。債権が他の回収業者などへ移るだけですので、過払い金請求の追求も難しくなってしまうのです。
クランだけでなく、このような問題を抱えて破綻している会社はたくさんあります。それでも、今も破綻せずに経営を続けている優良企業もあります。経営が不安定なところから借りている人は、安定した会社への借入をお勧めします。